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限界

 小さな田舎の教会の牧師になったとき、「良い牧師」になろうとがんばりました。

 しかし限界が来ました。

 教会に通ってこられる人が多くなり30人を越えた頃のことです。

 おひとりひとりにじっくりと関わる、ということができなくなったのです。

 考えてみれば当たり前のことです。

 時間は24時間しかありません。能力も体力も増えはしません。

 関係する人が増えれば、必然的に関わりの密度は薄まります。

 この当たり前のことに、当時とても悩みました。

 しかし、実はこれは悩まなくてもいいことでした。

 「あ、限界なんだな」ということを素直に認めて、神様に任せればよかったのです。

 「この人たちのことをお願いします」と神様にゆだねればいいのです。神様がその人達を愛し、守り、導いてくださるのですから。

 愛するということは、その人に絶対的なサポートをすることではありません。

 愛するということは、その人を最も幸福にできる絶対的な神様に祈り、ゆだねることです。

「どうか御民を救ってください。
 あなたのゆずりの民を祝福してください。
 どうか彼らの羊飼いとなって
 いつまでも彼らを携え導いてください。」

  詩篇28:9